こんにちは!フリーランス専門ファイナンシャル・サポーターの土居です。
前回の記事では、僕が黒字倒産の危機をファクタリングで乗り越えた実体験をお話ししました。あの記事を読んでくれた方から、こんな質問をたくさんいただきました。
「ファクタリングを使っていること、クライアントにバレませんか?」
「もしバレたら、信用を失って契約を切られたりしませんか?」
わかります。めちゃくちゃわかります、その不安。僕もそうでした。ファクタリングを利用し始めた当初は、クライアントに知られるのが怖くて、ビクビクしていましたから。
でも、ある出来事をきっかけに、僕は一番大きな取引先のクライアントに、ファクタリングの利用を正直に告白したんです。この記事では、その結果どうなったのか、そしてフリーランスがこの「バレる・バレない問題」とどう向き合うべきか、僕なりの答えをお話ししようと思います。
目次
第1章:「バレない」2社間と「バレる」3社間
まず大前提として、ファクタリングには2つの種類があり、どちらを選ぶかで「バレる・バレない」が根本的に決まります。

3社間ファクタリング:100%バレる
これは、あなた、ファクタリング会社、そしてクライアント(売掛先)の3社で契約を結ぶ方法です。クライアントに「この請求書をファクタリング会社に譲渡しますね」と承諾を得る必要があります。なので、100%バレます。その代わり、ファクタリング会社のリスクが低いので、手数料が安い(2%〜9%程度)のがメリットです。
2社間ファクタリング:原則バレない
これは、あなたとファクタリング会社の2社だけで契約が完結する方法です。クライアントへの通知や承諾は一切不要。だから、原則としてバレません。 僕も、フリーランスの多くも、こちらを選びます。手数料は少し高め(8%〜18%程度)ですが、クライアントとの関係性を維持したい場合には、ほぼ唯一の選択肢と言えるでしょう。
第2章:「バレない」はずが…バレてしまう3つの落とし穴
「じゃあ、2社間ファクタリングを選べば絶対安心なんだ!」
そう思ったあなた、少し待ってください。実は、「原則バレない」2社間ファクタリングにも、バレてしまう可能性がゼロではないんです。特に注意すべき3つの落とし穴があります。
- 債権譲渡登記を閲覧される
ファクタリング会社によっては、契約時に「債権譲渡登記」というものを法務局に登録することがあります。これは「この請求書の権利はウチのものです」と公的に示すためのもので、ファクタリング会社のリスクヘッジです。そして、この登記情報は、手数料を払えば誰でも閲覧できてしまいます。与信管理に厳しいクライアントがあなたの会社の登記情報をチェックした場合、ここで発覚する可能性があります。 - 入金遅延や使い込み
2社間ファクタリングでは、クライアントからの入金は一度あなたの口座に入ります。それをあなたがファクタリング会社に支払う、という流れです。もし、クライアントからの入金が遅れたり、あなたがそのお金をうっかり使い込んでしまったりして、ファクタリング会社への支払いが遅れると、ファクタリング会社がクライアントに直接連絡してしまう可能性があります。 - 悪質な業者を選んでしまう
残念ながら、ファクタリング業者の中には、違法な取り立てを行ったり、平気で秘密を漏らしたりする悪質な業者が存在します。信頼できる会社を選ばないと、あなたの知らないところで情報が漏れてしまうリスクがあります。
第3章:僕がクライアントに「告白」した日
僕がファクタリングを使い始めて半年ほど経った頃。黒字倒産の危機は乗り越え、資金繰りは安定していました。しかし、僕の心の中には、常に「クライアントにバレたらどうしよう」という小さな不安が燻っていました。
そのクライアントは、僕の売上の半分以上を占める、一番大切なお客様。Webサイトの運用を丸ごと任せてくれていて、担当者のAさんとは、仕事を超えて良い関係を築けているつもりでした。
ある日、Aさんとの定例ミーティングの後、雑談の流れでAさんがポツリとこう言ったんです。
「いやー、うちも最近、銀行の融資担当者が厳しくてね。新しい事業を始めたいんだけど、なかなかお金を貸してくれないんだよ」
その瞬間、僕はハッとしました。そして、気づいたら口を開いていました。
「Aさん、実は僕、資金繰りのためにファクタリングっていうサービスを使ってるんです」
言ってから「しまった!」と思いました。Aさんは驚いた顔で僕を見ています。ああ、これで信用を失ったかもしれない。契約を切られるかもしれない…。
しかし、Aさんの口から出たのは、予想外の言葉でした。
「へえ、ファクタリング!知ってるよ。うちの取引先でも使ってるところ、結構あるよ。土居さんも大変なんだな。でも、そうやってちゃんと資金繰りを考えて事業を回してるってことだろ?むしろ、しっかりしてて安心したよ」
第4章:告白してわかった、本当の「信用」
僕は、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けました。
僕が勝手に「知られたら終わりだ」と思い込んでいただけで、クライアントは僕の資金繰りの状況なんて、まったく気にしていなかった。それどころか、問題を解決するためにきちんと行動していることを「信用の証」と捉えてくれたのです。
この出来事を通じて、僕は本当の「信用」とは何かを学びました。それは、完璧な姿を見せることではありません。むしろ、自分の弱さや課題を正直に認め、それに対して誠実に向き合い、解決しようと努力する姿勢こそが、本当の信用を築くのだと。
もちろん、すべてのクライアントがAさんのように理解があるとは限りません。だから、むやみに公言する必要はないと思います。でも、もしあなたが信頼できるクライアントと長期的な関係を築きたいと願うなら、「隠し事をする」という選択が、必ずしも最善ではないのかもしれません。
まとめ:正直さは、フリーランスの一番の武器になる
「クライアントにバレるか、バレないか」
これは、ファクタリングを利用するフリーランスにとって、永遠のテーマかもしれません。今日の話をまとめます。
- バレたくないなら「2社間ファクタリング」一択。
- ただし、「債権譲渡登記不要」の会社を選ぶなど、業者選びは慎重に。
- でも、本当に信頼できるクライアントなら、正直に話すことで、むしろ関係が深まることもある。
僕の経験が、あなたの不安を少しでも軽くできたら嬉しいです。資金繰りの問題は、テクニックだけで解決するものではありません。クライアントとの信頼関係という土台があってこそ、乗り越えられるものなのだと、僕は信じています。
